介護のこと

今月10月22日で介護の仕事を始めてから、ちょうど丸一年。

将来のこと、生活のこと、どんな風に生きていきたいか色々と考えて
恐るおそる、でもパッと始めた介護の仕事。

一年経ってみて、言えること。
介護の仕事は意外と楽しいです。やり甲斐があります。

そして、人間が相手の仕事、しかも体力のないおじいちゃん・おばあちゃん
の生活全般に関わる仕事なので場合によってはその人の生き死にを左右する
責任重大な仕事、それが介護です。

仕事を始めてから、3〜5ヶ月目くらいまでは覚えることもいっぱいで本当に大変でした。
何度か辞めることも考えましたが、職場で知り合った仲良しの職員さんに慰められたり先輩社員の”ありがとう” ”お疲れ様”の言葉に励まされたり、時には利用者さんの言葉に笑ったり、怒ったり・・・。

あともう少し頑張ろうと続けている内に、気がつけば半年が経ちそして1年が経ちました。
介護の業界はまだまだ未成熟で課題も沢山抱えています。
利用者さんの人権の問題、労働者の低賃金・長時間労働の問題。

一言に「介護」と言っても、介護にはいろいろな形がありその中でも
大きく2つに分けると「在宅介護」と「施設介護」があります。
皆さんも良く知っている、お年寄りがお家にいてそこにヘルパーさんが来て
お世話をしてもらうのは「訪問介護」と言って「在宅介護」の方に入ります。

今私が働いている職場は、「施設型」に当たる「特養老人ホーム」になります。
自分の家ではない”施設”に入って介護を受けるので、「施設型」なんですね。

働き始めて分かったことは、特養老人ホームは施設型の中でも安い金額で入居できる分、一つの施設で100人以上とか沢山の利用者さんを受け入れているため、スタッフの目やお世話が行き届かないということです。
少ない職員で、大勢の利用者さんを相手にしなくてはいけないので、
「ベッドから起こす・食べさせる・トイレに連れて行く(オムツを変える)・お風呂に入れる・寝かせる」のお世話をするだけで精一杯で、毎日フロアを駆け回って仕事をしても追いつかないくらいです。
そんな状況ですので、利用者さん一人一人の” ああしたい、こうしたい “といった要望にはほとんど答えることができないのが現状です。
何故そうなっているのか?
十分な職員を配置できるほどの財政がない、そもそも人手不足で働き手がいないというのが原因なんでしょうが、本当のところは分かりません。

そして、最近私が日々の介護で感じる辛さの一つがそこにあります。
たまには外に散歩に連れて行ってあげたい、「この服じゃなくて、お気に入りのあの服が着たい」という利用者さんの要望に応えてあげたい。
それができないことに胸が痛むし、無力感を感じます。

理想論かもしれないけど、もっと一人ひとりの利用者さんの好きなこと、得意なことをさせてあげられたラと思います。自由な環境をもっと作ってあげたい。
月に何回かはお散歩もできるし、時には畑作りをしてみたり、工作をしたり、料理を作ったり、地域の方々と交流したりそういう生きがいの時間を作ってあげられたらといつも思います。
もちろん、認知症の方や体の一部が動かない方もいるのでそういった活動をするには事前の計画を練る必要があるし、労力と時間がかかります。

誰でも歳をとって、老いる時がきます。
自分が高齢者になって、介護される側になった時どんな介護をされたいか。
どんな環境で、どんな風に時間を過ごしたいか、

自分自身と重ね合わせて考えると、このままでいい訳がない。
でもどうしたらいいか。
思ったこと、考えたこと、ブログに備忘録や気づきとしても残していきたい。

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