最近思うこと

年をとるにつれ、良い意味であきらめが良く丸くなってくる。
諦めることで、得られる幸せでも十分満足だと思えるようになってくる。
でも、諦めてはいけないこと、切り捨ててはいけないことも沢山ある。

日本人は、「対話」「交渉」が苦手だと思う。
自分の意見、考えを他の人に分かるように、かつ感情的にならずに説明したり、表現したりするのがあまり上手くないと思う。
そして、それはもろに私自身に当てはまる。

仕事をする中で、経験を積み重ねて技術を磨くこと以上に、情報収集する力や人と上手く対話できたり
協力できることの方がよっぽど大切だということにようやく気付いた。
でも気付いただけで、全然できるようにはなってはいない。

自分がなじむことができない、職場を去ることは簡単だ。
理不尽な働かせ方をする会社、働きに対して公正な評価をしてくれない会社から逃げるには、辞めるのが一番てっとり早い。
でも、会社から逃げることはできても、そういうゆがみを無数に含んだ社会から逃れることはできない。

ある新聞で、こんな記事を読んだ。
過酷な労働をしいる会社で労働組合を自らが結成し、その後部署移動やボーナスかっとなど会社からの
理不尽な嫌がらせにあいながらも会社の労働環境改善のための交渉を進め、
今年7月に京都府の労働委員会が会社の不当労働行為を認めたー

そういう記事だった。
会社側は、労働委員会の命令を不服として、中央労働委員会に再審査を申し立てたそうだが、
それでも、そこまでこぎつけた当事者を尊敬せずにはいられない。
私たちを今、かろうじて守ってくれている労働三法律(労働基準法、労働組合法、労働関係調整法)だって、
そういった先人達の運動があってこそだ。

問題があった時にそれに、どう対峙するのか。
黙っていなくなるだけではなく、自分の考えをきちんと表明し、相手に交渉すること。
それは、「労働」の現場だけではなくあらゆる場面でとても大切な態度だ。
他者のと公平なコミュニケーションはそこから始まるし、民主主義の第一歩もそこから始まるのではないだろうか。

待っているだけでは、誰も声をかけてくれない。
私もまずは一番身近にいる人と、きちんと「対話」できるようになりたい。