雪が降ってからの休みの日、吉祥寺に行くことをふと思いついて行ってきた。
もともと買い物が目的だったけど、雪景色を楽しみたかったので、井の頭公園を散歩 → 買い物 → カフェ というコースで行くことにした。
カフェは、食べログであらかじめチェックしておいた「 コマグラカフェ 」。
吉祥寺北口から広がる商店街の一角にあるお店だ。
路地に面した、古い建物の3階にお店があって、看板がそこにカフェがあることを教えてくれる。
古びた階段を登って、お店にのドアをあけると、中はほこっりするような居心地の良い空間になっていた。
イチジクとガトーショコラのケーキ、それから屋久島産の”和紅茶”を注文した。
出てきたガトーショコラは濃いエメラルドグリーンの器に盛られて出てきた。
上には黄色い花びらがのっていて可愛らしい。
口に運ぶとチョコレートの濃厚な味わいが広がる。
一番手前に添えられている、黄土色のものがイチジク。
ケーキの中にも入っていて、ナッツのような食感で美味しかった。
街の中を歩いていても、若者の街という印象の吉祥寺。
店内も若い人が多く、それぞれに話に花を咲かせていた。
時々会話に意識をひっぱられながらも、本を読んだり、
ノートにメモをとったりして過ごした。
コマグラカフェの建物から、道を一本はさんだ向かいの建物には
「イルカッフェ」というカフェがある。
今度はそこにも行ってみたい。
新しいカフェに出会いに、また吉祥寺に来ようと思った。
2日連泊した宿「nico-stay」はインターネットでたまたま見つけた宿だ。
広々とした空間に、窓から海が見える、眺めの素晴らしい宿だ。
その場所でしか感じられない自然を感じられる場所であることが、サイトを通じて伝わってきた。
実際、とても素敵な宿だった。
車でぐんぐん坂道を登っていくと、可愛らしいオレンジ色の建物が見えてくる。
車を停めると、玄関のシーサーがとても愛嬌のある笑顔で出迎えてくれる。
そのシーサーの間を通り、グリーンや黄色の色鮮やかな大きな葉っぱのトンネルをくぐる。
トンネルを抜けると、視線の先にすぐ川平湾が広がってみえる。
そう、ここはnico-stay。思わず笑顔が広がる。
到着した私たちに、最初に挨拶してくれたのは、ゴールデンレトリバーのくるくる。
続いて現れたのは背の高い、浅黒でバンダナの良く似合う宿のご主人。
とても穏やかだけど、隙のない、不思議なオーラを持った方だった。
案内してくれた部屋は、無垢材の床や木の家具など、主に自然素材を使用した
とても心地のよいさっぱりとした内装で、手入れの良く行き届いた素敵な空間だった。
とてもさりげないけど、各所にこだわりが感じられる。
一つ一つ、とても良く考えて作られている宿だと思った。
川平湾を窓から一望できる場所にあるこの宿のすぐ後ろには、於茂登岳がそびえていて
自然の豊かな場所にあるだけあって、朝も夜も沢山の生き物達の声が聞こえる。
夜さかんに聴こえていた「ホー、ホー」という鳴き声はコノハズクだと教えてもらった。
朝食もとても美味しかった。
ふわふわの卵料理に、緑色がきれいな、新鮮な野菜料理がお皿に並ぶ。
大きな窓から朝の光が差し込み、刻々と移り変わる空の気配を感じることができる。
この朝食もやどの主人が作って用意してくれたものだ。
身体にいいご飯に、美しい朝日が差し込むこの空間がとても清浄な場所に感じられた。
清浄な空気の中で静かにご飯をいただく。
最終日には宿のアイドル(?)である、やはりゴールデンレトリバーのオージローが
私たちを接待してくれた。
大自然の中の、手入れのよくされた、素敵な宿を私たちは後にした。
今度泊まった時は、シーツと毛布を間違わずに寝ることができるだろう。
石垣島に着いてから2日目の夜、友人が行っているホタルツアーに参加した。
その日の参加者は全部で4人。
夕暮れ時の時間に山の麓へと案内された私たちは、ホタルを見るときの
注意事項など説明を聞いてから、森の中でホタル達を静かにまった。
本州とは大分違う、太い声のセミ達の声がやんで少しすると、小さな光が
チカチカと光り始めた・・・。
石垣島の空気はとても「濃い」気がする。
島について、最初の夜は部屋の中にいても何か得体のしれないものがそこらへんに
いるような気がしてなかなか寝つけなかった。
ホタルツアーで案内された場所は、周りにうっそうと気が生い茂っている、
夜だと少し不気味な所で、だけど沢山の生き物達の気配が感じられる場所だった。
最初はかすかに光っているのが見えるだけだったホタルの光が、どんどん増えていく。
光っているのは、主にオスでメスにアピールするためとコミュにケーションをとるため
なんだそう。
地面を這う幼虫も光るが、この場合は外敵から身を守るため。
オスのホタル達がこの時ばかりと、メスを求めて懸命に光る。
ガイドである友人は、「ホタルの合コン」と例え話をしていたが、
まさしくそうだなと思った。
夫が、飛び方の違うホタルがいることに気付く。
よく見ると、光の色も微妙に違うらしい。
この日、私たちが見たホタルは3種類(だったと思う・・・。)
ヤエヤマヒメホタルとキイロスジボタル、もう一つは、、すみません、
名前を忘れてしまいました(^^;)
いずれもオスのホタルで、メスのホタルはやはり光るらしいのだけど
葉っぱの陰に隠れていて見つけるのはとても難しいのだそう。
圧倒的多数のヤエヤマヒメホタルはチカチカと光るけど、
キイロスジボタルは、はかなげながら点滅せずに光ります。
一言に「ホタル」といってもいろんな種類がいるし、
光り方も違うんですね。
ガイドの友人は、ホタルの保護にも力を入れていて、ホタルを守るために
人工の強い光(懐中でんとうや、ヘッドライト、そして車のライトも)
は持ち込まないようにということを、再三言っていた。
ホタルの鑑賞中もライトをつけた車が、何度か道を通り過ぎていったが
車のライトもやはり強い光であるため、ホタル達を刺激してしまうらしい。
強い光で刺激されると、ホタル自身が反射的に光ってしまい、エネルギーを
消耗してしまうのだそうだ。
夜中に車で移動する際、何も知らなければ、ホタル達が住んでいるその道を
通るだけで、自分自身が簡単にそういった無神経な車の仲間入りになってしまう。
生き物(特に生息の限られているもの達)に接するときは、その生き物について
知ることが大切だ。
ツアーの最後に、みんなで目をつぶってその場で耳を澄ます。
カエルにコウモリ、コノハズク・・・そして虫達。
静かにしていると、本当に沢山の生き物達の声が聴こえてくる。
私という存在も、そんな生き物達や、大きな自然の中に生きているのだ
ということを観じることができた夜だった。
石垣島初日、2日目と川平湾へ宿泊した。
初日は泳げるようなビーチにたどり着くことができず、翌日、おススメのビーチを宿の主人に教えてもらう。
浜までは車で向い、近くに車を停め歩く。
草の生い茂ったトンネルを抜けると、そこにはエメラルドグリーンの美しい海が。
海で泳ぐのは二人とも数十年ぶりだったので、彼と二人で少年少女のようにはしゃいで海に入る。
海水は少し冷たく海に入る時は一瞬冷やっとした。
水中めがねをつけて、海の中で目を凝らすとすぐに小魚達の群れが視界に入ってきた。
黒い魚に青い魚、シマシマ模様の魚に、黄色の魚。
図鑑でしか見られないような魚達が、手を伸ばせばすぐ届くような距離で泳いでいることに嬉しくなる。
濃い青色をした美しい魚は、後で調べてみるとルリスズメダイというらしい。
写真にも映っているが、海底に黒ずんで見える所は珊瑚が死んだところに藻が生えたところなのだそう。
後から教わったことだが、近年石垣島の珊瑚は70%が死滅してしまったとのこと。
浅瀬のあちらこちらに、珊瑚の死骸と思われるゴツゴツした岩に黒い藻が生えていて、藻と藻の間に小魚達が生息しているようだった。
浜から数十メートルは足が地面に続く位の浅瀬が続く。
波も穏やかな、エメラルド色の、日本の最南端の海で子供に帰って遊んだ時間だった。
今でも美しい石垣島の海。
この海が以前と比べてどう変わってしまったのか、2、3日滞在しただけの、観光客の私には分からなかったが、この綺麗な海の生態系が壊れ始めていることは自分の生活と決して無関係ではないと思う。
自分の幸せ、生き物達の幸せ、美しい海を保っていくためにどうすればいいか、
きっと全て繋がっていることだ。