初めての南アルプス 〜 北岳・間ノ岳へ 〜

 810日から、23日で北岳・間ノ岳に登ってきました。

6月頃「新座山の会」の嶋田さんに声を掛けていただき、目標の北アルプスへのステップアップとして登ることを決めた。決めたのはいいものの、3,000m級の山に登るのは20代に行った富士山以来10数年ぶりで、いろいろと不安も多かった。

そのため、北岳に登る前にトレーニングを兼ねて奥武蔵の「棒ノ折山」や群馬・新潟にまたがる「平標・仙ノ倉山」への山行にも行ってきた。

 登山道具も今回はしっかり準備していった。高山用のハイカットの靴を持っていなかったので、今後も使うことを考えて購入。その他エマージェンシーシートやマップケース、整理用小物入れなど必要性を感じても、なかなか用意できていなかったものを一通り揃えた。

ある程度準備ができると、心の中の北岳への不安もかなり減り、やはりしっかりと前準備をすることは大切だなと思った。

 そして、いざ北岳へ。1日目は芦安の駐車場から北岳中腹にある白根小池小屋までのコース。時間にして約3時間。途中息も上がったが、少し余裕も残しながら登ることができた。

 

 

 歩いている間、「リリ・リリ・リリ」と涼やかに聴こえてくる鳥の鳴き声があった。小池小屋の手前で声がすぐ間近に感じられ、立ち止まって目を凝らしてみると、きれいな声で鳴いているその姿を見ることができた。つかの間の嬉しい発見だった。

 小池小屋でスタッフに聞いてみると「ミソサザイ」だと言われた。しかし帰ってきてから改めて声の主を調べてみると、あの鳴き声は「メボソムシクイ」だったのではないかと思う。

 

*  * * *

 

 そしていよいよ、北岳・間ノ岳山頂を目指す2日目、朝5時半に小屋を出発した。

最初はハンゴン草やシシウドなどが咲く草の茂みから、ダケカンバの木々の中をジグザクに進みながらひたすら登った。

 

 

辺りは霧に囲まれ、小太郎尾根の分岐まではキツい道がずっと続いた。小太郎尾根から北岳肩の小屋に出ると、それまで霧に囲まれて何も見えなかった視界が一時晴れて素晴らしい景色が目に飛び込んできた。

 

 

そこからさらに登って頂上を目指す。雄大な景色の中を一歩一歩進む。雲海が下に見え、立派な山並みが足元に広がる。そしてついに北岳頂上へ。

 

 

これまでの登りのきつさもあり、達成感に包まれて皆で登頂できた喜びを分かち合った。
目の前には甲斐駒ケ岳が迫り、反対側には見渡す限りの雲海とそのはるか向こうに富士山が見えた。

「北岳に来てよかった。」そう思った。

登る前に不安に思っていた頂上付近の岩場も、実際に来てみると一歩一歩気を緩めずに進めば大丈夫だと分かった。何より頂上での眺めや、山行途中の景色の素晴らしさは登ってみないと分からない壮大さがある。普段、自分のいる世界とは全く別の世界を体感できる、それが山の醍醐味だと思う。

 

 今回の山行でも新しい花や植物を知ることができた。ハンゴン草にシシウド、サルオガセ、マルバダケブキ、それから岩ギキョウにトウヤクリンドウ。どの花・植物も山以外ではお目にかかることのできない珍しいものばかりで、だからこそすぐに忘れてしまい、覚えるのがなかなか難しい。でも仲間と一緒に登ると、その分知識も増えてよりいろんな植物を知ることができる。

 

 最後に印象に残ったエピソードがもう一つ。

北岳山荘に着いてから、空身で間ノ岳まで行きピストンして戻ってきた時のこと。私たちが夕ご飯を食べ終えて部屋でくつろいでいると、後から到着した女の子が一人、部屋に入ってきた。話してみると、日本の大学院に在籍している中国人留学生だそうで、何と塩見岳から間ノ岳を越えて北岳まで一人で縦走してきたのだという。

塩見岳から間ノ岳までは2,0003,000m級の山がいくつも連なっていて、地図を眺めるだけでも気が遠くなりそうな、距離のあるコースである。塩見岳の方から朝5時半に出発し、彼女が小屋に着いたのが夕方の5時半頃なので、北岳山荘にたどり着くまで12時間も歩いてきたことになる。さすがに彼女もかなり疲弊しているようだった。

話をしていてさらに驚いたのは、来年で卒業のため中国に帰らなくてはいけないので、それまでに100名山を目指しているとのこと。中国は大陸の面積も人口も日本の何倍もある広大な国である。そういったところからくるのだろうか、彼女の度胸と根性、そして発想のスケールの大きさにぶったまげた1日の終わりだった。

 

他にもメキシコ人、ドイツ人、マレーシア人や間ノ岳山頂で出会ったトレイルランのお兄ちゃんなど、多種多様な人達と山ですれ違った。山は普段だったら会うこともないような人との出会いがある場所でもあるのだなと、山の魅力をまた一つ発見した登山でした。

*  * * *

おまけの話

今回の山行は2泊2日で行ったのだけど、私は2日間とも夜なかなか寝付けなかった。
新しい環境など旅行先では、寝付けないことが多い私。
眠れないことが分かっているので、睡眠導入剤をもらって飲んだのだがあまり効き目はなかった・・・。

2日目、北岳山荘での夜のこと。布団の中でじっとすること2時間余り。
やはり眠れない。。。
仕方がないので、気分転換に外へトイレに出てみた。
すると、空には満点の星空が。

天の川と思うほど無数の星が大きくひしめいていた。
あまりに星が大きいので、まるでこちら側が星に見られているような気がして少し怖い程だった。

そして流れ星が、すっと目の前を流れた。
1人眠れなかった夜にみた、人間以外のものたちの存在、大いなる自然。
私たちを包み込む、宇宙の交信を見たような気がした。

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